タンニン
創業から100年以上、タンニン販売では日本でトップシェアを誇ります。さまざまなタイプのタンニンを在庫販売しております。
創業から100年以上、タンニン販売では日本でトップシェアを誇ります。さまざまなタイプのタンニンを在庫販売しております。
植物タンニンの種類と主な生息地を、世界の分布マップと合わせてご紹介します。
生育が早いミモザは、計画植林栽培にも適した植物です。枝がしなやかであることから、ワットル(Wattle:しなやかな小枝)とも呼ばれています。
オーストラリアに自生していた、アカシア(ミモザアカシア族)を19世紀中ごろアフリカに移植して、大規模に栽培が行われるようになりました。現在の主産地は南アフリカ共和国で、そのほか、東アフリカ地域、ブラジル、中国でも植林されています。
また南アフリカでは、500種類以上のアカシアの中でも、特にタンニン含有量の多いアカシア・モリシマ(Black Wattle)が計画植林されています。 樹皮からはタンニンが抽出され、幹は粉砕され製紙用チップとして輸出されています。
アカシア・モリシマのタンニンの性質としてはカテコール系が優勢ですが、少量のピロガロール系も含有します。また、それ自体の色が淡く、さらに亜硫酸処理をすることで漂白もできます。塩や酸の含有量が少ないので、有機酸を加えることによって酸塩量の調整を行うことも容易です。 性質上は縮合型に属していますが、他のタンニンに比べて自然に縮合する傾向が少ないため、レッド、またはフォロバフェンと呼ばれる沈殿を生じることが少ない点も特徴です。
上記のように、様々な特徴を持つミモザの木は、南アフリカでは、約6~8年で高さ15~20m、直径20~25cmもの大きさとなります。樹皮は水分率14.5%換算で、平均35.0%の高いタンニン含有量がある点が特徴です。また、糖分含有量は一般に17%以上にはなりません。
ケブラチョの木は、南米アルゼンチン北部からパラグアイ西部にかけの広大な地域に分布しています。生育に時間のかかる木ですが、最近では、積極的に植林されるようになりました。 幹が非常に固く、重い(比重は1.12~1.39)ため、スペイン語の「Axe Breaker(斧をも壊すくらい固い)」から、「Quebracho」と名付けられたとされています。
タンニン分が含まれているのは、主に、幹の中心部です。木質部のタンニン含有量は30~35%となっています。 ケブラチョのタンニンは温溶性で、収れん性が強く、レッド、もしくはフォロバフェンと呼ばれる不溶性成分を、およそ6~8%含んでいます。一般的に使用されている水溶性タンニンは、温溶性タンニンを亜硫酸処理することによってその不溶解分を水溶性に改質したものです。 この亜硫酸処理は、ほとんどが無水重亜硫酸ソーダで行われており、使用量は固形成分の重量比2~7%程度となっています。
チェストナットの木(カスタニア・サティバァ)は、イタリア・フランスに分布して、管理されています。樹齢30年、高さ30m位になってはじめて、十分なタンニン量を含むようになる点が特徴です。木に含まれるタンニン量は平均11~14%となっています。 チェストナット・タンニンは、代表的な加水分解型タンニンです。酸度が高く、収れん性が高い点が特徴です。また、塩類およびアルカリを加えて酸度を下げた、スィーテンド・チェストナットもあります。通常のチェストナット・タンニンがpH3.2であるのに対して、スイーティンド・チェストナットはpH4.5になると言われています。
ミラボラムは加水分解型タンニンに属します。糖分含有量が多いので、発酵しやすく、有機酸を形成しやすい性向があります。インド・スリランカに分布する、テルミナリア・チェブラ(ミラボラム)の木の実(くるみ状)の果肉から採取されるタンニンです。 果肉はタンニンを多く含みますが、芯はタンニンを含んでいません。芯を除いた実のタンニン含有量は50%で、約8%のブドウ糖を含んでいます。
ガンビアタンニンは、塩類を含めた非タンニン分が多く、収れん性が弱い点が特徴です。(医薬名:阿仙薬)東南アジア熱帯地方に自生ないし植林されているアンカリア・ガンビアという灌木の葉、小枝から抽出されています。
五倍子は、ヌルデの木のようなうるし科の若芽や葉柄にアブラムシ類が産卵することによって生成された虫嬰(ちゅうえい)です。長さ8cmほどの虫嬰は、長形の袋状で突起を持っており、直径が5cmに達するものもあります。 これを乾燥させたものから抽出した成分が、五倍子タンニンです。産地としては、主に、中国が挙げられます。また、中近東のイラン、イラク、トルコあたりのブナ・柏等の若芽に蜂が産卵、傷つけると生じるこぶ状のものを、没食子と言っています。
オーク・タンニンは欧州、北米の樫の樹皮および木質部から抽出されます。このタンニンは加水分解型(ピロガロール系)です。オーク・タンニンはその分子量が大きいため、冷水では溶解しにくくなっています。また、金属に対して敏感に反応し変色する点も特徴です。
かつてはこの特徴を生かして、絵の具の原料にも使われていたタンニンです。
タラは、ペルーに多く生育するタンニンです。カエサルビニア族の果実の莢(さや)から抽出されています。タンニン剤の中では一番色が淡く、明るいため、配合しても製品の色を損ねることはありません。
タラ・タンニンの主な性質は、加水分解型(ピロガロール系)ですが、わずかに縮合型(カテコール系)タンニンの特徴も含んでいます。また、エラーグ酸を多く含むため、強い抗酸化作用があり、鉄分と反応すると、青褐色に着色される点も特徴です。